keiichiroyamazaki
- 2022年6月27日
夏を迎える
枕草子の昔でないにせよ、四季それぞれに違った趣がある。たしかに現代の夏は獰猛すぎて、そんな悠長なことを言っていられない有様ではあるものの、その語感、ことばが纏う香気はまだまだ失われていないように思う。 夏という語はそれだけで巨大なノスタルジーだ。夕立の香り、塩素のにおい、朝...
keiichiroyamazaki
- 2022年6月25日
かんづめ
不運にも濃厚接触者となり、外出もできず。幸い感染してはいないようで月曜日には社会復帰する見込み。仕事で無理がきていたし、読書でもしてゆっくり休むつもりが、ついつい調子に乗って身体を動かしすぎてしまい、他の時間はただただ惰眠を貪る5日間。睡眠不足は解消されてよいが、すっかり脳...
keiichiroyamazaki
- 2022年6月8日
こころ
「こころ」という言葉を、ひとは簡単に使う。作品が「こころ」を表す。「こころ」を尊重する。こころこころと口にすればするほど麻薬めいたその柔らかな響きが感性を鈍らせ、言葉だけを残して実体は彼方に消え去っていく。こころと口にするとき、それがこころであるのか、「こころ」と書かれた下...
keiichiroyamazaki
- 2022年5月28日
枠
バロックの組曲が楽しい。アルマンド、クーラント、サラバンド。もうひとつふたつ挟んでジーグで締める。調性を揃えて、それぞれのリズム、強弱と躍動感のコントラストで繊細に奏でられる歌は古式ながら洗練されて、美しい。 暖かくなって、街がそわそわと活気づいてきているように感じる。人混...
keiichiroyamazaki
- 2022年5月2日
停滞
ふいにエアポケットに落ち込むような、何も手につかず、力も入らず無気力な状態になることがある。なるべくそうならないよう日頃から身体を動かして、身体主導で自己の全体をコントロールするようにしているけれど、それでも、風邪をひくようにふっと陥ってしまう。おかげで飲みに行く気もしない...
keiichiroyamazaki
- 2022年4月26日
おそれ
自分がもしピアニストだったなら、ショパンのバラード4番は弾きたくないだろうと思う。4つ連続する同音の8分音符は決してごまかすことができず、自分の技量と感性が追いついていないことをいちいち思い知らされながら、それでも何回も何回も弾かなくてはならない。想像するだけで恐ろしい。...
keiichiroyamazaki
- 2022年4月16日
朝
日中はエチオピア、日が沈んでからはパイクプレイスロースト。食事もしたければハムとチーズの石窯フィローネに合わせてスマトラ。近所のスターバックスでは専らフレンチプレスで淹れたコーヒーをいただく。クリアなドリップコーヒーもいいけれど、濁って、まろやかで、複雑で、粉っぽくてなんと...
keiichiroyamazaki
- 2022年4月11日
反抗
つまるところ、再構築ということだ。 自己と他者が共有できるのは記号だけであって、その「指し示すもの」は伝わらない。自己と他者の間には記号と、そのうしろに「もの」があって、だから記号から私が脳内に再現するものと、他者が再現するもの、そして「もの」自体には必ず差があって、ぴたり...