keiichiroyamazaki
- 2021年11月26日
ひそやかでありたい
ある展示に行ったら入り口で手指の消毒と、その流れで氏名と住所欄しかない芳名帳への記帳を求められ、見開きのページいっぱいに他の来廊者さんの情報が丸見えになっていた。撮影OKの掲示が至るところにあり、あろうことか画家さん側のスタッフが断りもなく、来廊者の姿を含む廊内をひっきりな...
keiichiroyamazaki
- 2021年11月21日
早起きの休日
ピアノの歌は対話 チェロの歌は哀歌 ギターの歌は歌だ そう言い残した先人がいた。 最初から偏った情緒を帯びていないことは無味乾燥なのではなくて、飾り立てず素朴で、そしてすべてを含んでいる。そんなイメージだろうか。 グレーはすべての色の中間で、偏らず何色でもなく、同時に何色で...
keiichiroyamazaki
- 2021年11月7日
向き合う時間
ボルドーのワインが好きで、家で気楽な定番としていただける安価なものがいつか見つかればと時々買って試してみるのだけど、一本を何日もかけて飲んでいるとどうも情が移るようで、いつまでも決まらない。 この前買ってきた2015年、メルロ単一のコート・ド・カスティヨンは非常に堅牢で、早...
keiichiroyamazaki
- 2021年10月14日
次回個展
写真をやるようになったのは成り行きであって、特別前から興味があったわけではないし、今も好きではない。伝えたい思いなんかないし、残したい風景や人の思い出もない。あったとしてもそれは胸の中でよい。消えてしまってよい。そんな調子だから「写真をやっている」と一応は言うものの、いいか...
keiichiroyamazaki
- 2021年9月27日
備忘
小沢眞弓氏の個展。 これは、ブルゴーニュ、ヴォーヌロマネのような絵画。ひと目には長閑で穏やかで優しい風景、何ひとつこれ見よがしなところがないのに、豪華な額縁にまったく負けるところがない。そういえば、反対色ということか、サインは落ち着いたワインレッドで記されていた。...
keiichiroyamazaki
- 2021年9月24日
醍醐味
ホームラン王争いが40本を超える水準になると、やはり華やかだ。村上宗隆選手は一年目からとても好きだったけれど、思っていたよりもずっと早く、期待していたよりもずっと偉大な選手になってしまって驚くばかり。羽生結弦選手が出てきたときに似た感覚だ。頂点に至る選手というのはこういう鮮...
keiichiroyamazaki
- 2021年9月17日
名残
気温が下がり金木犀が香り始めたが、まだまだ名残りか、意外に暑苦しく汗ばんだりもする。東京の夏が常軌を逸した厳しさになって久しく、また一年の中で本当に過ごしやすい季節はごく短いというのに、それでも夏が過ぎ去ってゆくときにはやはり一抹の寂しさがあり、それがまたこの季節の醍醐味で...
keiichiroyamazaki
- 2021年8月28日
みえざるもの
お盆休みに「もののけ姫」をやっていたから、久しぶりに観た。まともに観たジブリの映画はこれが最後で、以後のものはよく知らない。たしか宮崎駿氏が最初に「これで最後。やめる」と言った作品だったような気がしたがどうだったか。以後、ほとんど一つ作るごとに毎回「やめる」と聞いたように思...