keiichiroyamazaki
- 4月11日
陽気
すっかり春めいて、天気もそわそわと落ち着きがない。私の花粉症は時期がとても短くて今年はもう収束したから、これからしばらくはとても快適な季節になる。冬の終わりの無理がたたって身体のバランスを崩していたけれどどうにか持ち直してきてほっとしたが、嫌でもこの先年齢とともに身体の違和...
keiichiroyamazaki
- 4月5日
分断
分断の時代、などという言葉をどこかで聞いた。おそらくフィルターバブルやエコーチェンバーといったような文脈で目にしたのだと思う。触れる情報が自分の預かり知らぬところで最初から偏っているために価値観が強化されて排他的、非寛容になり、社会が分断されるという主旨だ。一方で思考の偏り...
keiichiroyamazaki
- 3月27日
こころ
日頃「こころ」という言葉を使うことはめったにない。曖昧さと強さの故に感情を煽る目的で振り回されがちな言葉はタチが悪いから、意識して避けているのだ。捉えどころのないものを見つめるときこそ孤独な思考が求められようが、共有のための安易な言語化はその不可視性から目を背けさせてしまう...
keiichiroyamazaki
- 3月13日
見つめるもの
雪の思い出のついでに。 私が生まれたとき構造主義は疾うに始まっており、人類は主体的で自由な理性のもと弁証法的に弛まず進歩してゆくのだ、という前提は粉砕され、本質としてひとは普く構造の奴隷であるのだ、ということは既に示されていた。特別そうした知識に触れる経験があったわけではな...
keiichiroyamazaki
- 3月8日
雪
電車の座席が熱く、腰掛けるとじんわりとしてたちまち睡魔が襲ってくる。湿気で曇った窓、濡れたゴム床と鞄。皆煩わしそうな顔をしながら、しかしいつもと違う朝のリズムを静かに味わっているような雰囲気でもある。 中学受験のとき、大雪が降った。電車が止まって、タクシーも走らず、半ば諦め...
keiichiroyamazaki
- 2月23日
夜明け前
先月の終わりくらいから急に忙しくなってきた。公私とも時間に追われるようで、どうも毎日落ち着かない。今日は朝帰ってきて休みだから、束の間ゆっくり過ごそうと思う。 月に幾度かの深夜仕事が始まってもう5年くらいになるだろうか。終了後の時間は、はじめのころは始発まで飲んだり、撮り歩...
keiichiroyamazaki
- 2月19日
まなざし
前回から5年近く経ってしまったから、セルフポートレートを先日撮った。すっかり人や物を撮ることが億劫になってへたくそなものだが、どうにか使えそうなカットが2つほど確保できたから、これでしばらくは安心だ。とはいえ顔写真を公開するつもりのない私に使う当てはなく、せいぜい万一のとき...
keiichiroyamazaki
- 2月13日
あけぼの
ぬるい冬だと思っていたらいつの間にかかなり寒くなっていて、しかし2月も半ば近く、もうひと仕事ふた仕事片づけていたら春の足音が聞こえてきそうでもある。毎朝の空も品の良い薄紫色になってきた。子供のころからこの色はとても好きだった。...