朝

4月16日
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更新日:5月1日
夜明け前。小雨。咳の残った病み上がりで始発を待っている。昨冬は一度も風邪を引かなかったというのに桜も見頃を過ぎた今になって捕まるとはおもしろくない。幸い緩慢な症状だったから誤魔化しながら仕事をして、眠気でぼうっとしながら腰のあたりにじんわり疲労を感じている。本の同じページを開いたままうたた寝をして、はっと目が覚めて思いきり背伸びをしたらいくつもの小さな星が揺れるように流れていった。このひと月ほどの間に胸を締めつけられるようなひどい出来事がいくつもいくつも立て続けに起きて、正直かなり鬱屈した心持ちだ。求めて、満たされて、ますます飢えて、貪って、気づけばすっかり魂は荒れ果てて、そんなサイクルを平気でぐるぐると際限なく回し続けて人間はどうしたら幸福に生きそして死んでゆけるというのだろう。目を閉じれば会いたいひとの姿がいつでもそこにあって、アップルティーはこんなにも温かく、甘く優しく香るというのに。
朝がやってくる。眠ろう。
