春めいて
- keiichiroyamazaki

- 3月1日
- 読了時間: 2分
春らしい陽気が覗くようになってきた。それでもまだ冷える日が何回かはやってくるだろうから油断はできないし、夜の気温は読みづらくて、着るものに迷う。
あまり季節によって飲むお酒が変化するほうではないが、ふと思い立って一杯目にカンパリシェカラートをお願いした。色合いや風味がふさわしいような気がしたし、まだ時間が早かったからあまり強すぎないほうがよかったし、食事も済ませていなかったからだ。
カンパリと、人によってはレモンが少々。それでも絶対に家では楽しめないカクテルのひとつ。控えめな度数のカンパリだけを家庭の氷と素人の拙いシェイクで作ってもただ薄まるだけになるのは目に見えていて、そのごまかしの利かない厳しさから修行時代にはたくさん練習するカクテルだと聞く。初めてお話するベテランのバーテンダーさんが5年ぶりくらいでしょうかと生き生きとしたシェイクで作ってくださった一杯は酸味と甘味がさわやかで、華やかで、お腹が減った。
ずいぶんブランクがあってバーでの飲み方がなかなか定まらなかったが、今の自分の年齢と感性での楽しみ方が少しずつ出来上がってきたように思う。そして何より、すべてのひとのご縁を現実の肉体だけで繋いでいる現在の私のライフスタイルにおいて、ギャラリーとバーはその中心となる大切な場所だ。
調子に乗って少し酔ったが、素晴らしい時間の余韻に足取りが弾んだ。
5月末、渋谷concealて開かれる作品展の情報が公開されています。詳しくはexhibitionsページをご覧ください。
