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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

不明瞭

このところ働き詰めで身体のキレもいまひとつ優れない。夜の気温はいくらか下がったものの、それでも纏わりつくような暑さはまだまだしつこいもので、沿線火災とのことで電車が止まっていたけれど、仕事前に何キロも歩く気にはならなかった。

 

惜別、喪失、失望、不安、憤怒、焦燥。公私にわたって身辺がとてもざわついていて心休まる暇もなく、深夜の仕事を終えて束の間、体幹にじんわりと疲労を感じつつ、開いただけのヤスパースとアップルティーをお供にぼんやり始発の電車を待っている。褒められた状態ではないが、どちらかと言えば人との繋がりが希薄な生活を送っているから、そんな自分でも他者や世間と関わりながら日常を送っていることを抗えない揺らぎが教えてくれてもいる。


もう会えないひと、会えないかもしれないひと、裏切りたくないひと、かけてあげられなかった言葉、最後の表情、見たくもない顔、受け入れるしかないこと、許したくないこと、許してはいけないこと、やりきれないこと。誰も明日を見ることはできなくて、でも、誰にでも明日は、そのときになりさえすれば否応なしにやってくる。分け隔てなくただ粛粛と。

 

疲労と眠気で思考がまとまらない。まとまらず不明瞭で、でも生きている。

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