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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

陽気

すっかり春めいて、天気もそわそわと落ち着きがない。私の花粉症は時期がとても短くて今年はもう収束したから、これからしばらくはとても快適な季節になる。冬の終わりの無理がたたって身体のバランスを崩していたけれどどうにか持ち直してきてほっとしたが、嫌でもこの先年齢とともに身体の違和感が増えていくのだろうから、そのときに精神が引きずられないようにしなければ、と思う。


G.ピエルネのカンツォネッタ(Gabriel Pierné Canzonetta op.19)を、ここ数日よく聴いている。日頃聴く音楽は季節にまったく関係なく、ある程度の周期で好きなものを固めて聴くほうなのだが、これは春の陽気にとてもよく合う。クラリネットの甘美な音色、うきうきと弾む軽快なリズムと人懐っこいメロディ。アカデミックな世界からは自由な雰囲気の魅力的な小品で、どうやらクラリネットの世界ではポピュラーなレパートリーのようで音源も豊富だから、好みの演奏を探すのも楽しい。高校生のころからの私の春の定番だ。


朝、通勤の車窓から丘陵住宅地を臨む区間があって、季節によってはちょうど日の出ころの時刻になる。うららかな日差しと天気にクラリネットとピアノが調和して、清々しい。

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