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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

テニス

ライブや個展を終えてようやく落ち着いた先週末に人生初のテニス観戦をした。横浜慶応チャレンジャー男子シングルス、綿貫陽介選手とM.モー選手による準決勝だったが、すばらしい体験だった。


スピード感や力強さはもちろん、両選手が各々磨き上げた身ごなしの、武道のような、あるいはバレエのような洗練された美しさ。リスクを取って決めに行き、緩んで精度が落ちると逆に攻め込まれて、不安や焦りを払って切り替え、立て直す。厳かなムードの審判員たちの下スピーディに粛々と進行する試合の中でそうした目まぐるしい攻防が展開し、いくつかの山場、勝負所ではぐっと緊張感が高まる。それを積み重ねてセットが決して、最後には「勝負あった」とわかる場面を迎える。ダイナミックで、同時にものすごく繊細な世界だ。


思ったとおり、歴史の長いスポーツで凛とした締まった空気が心地よく、厳かなまでに静かに選手の息遣いや足音、ストローク音を堪能できた。下部大会とはいえ立派なプロ選手たちがしっかり勝ちに行く戦いをしてくれて、それを有明よりもずっと近く観られるのだから、何とも清々しい、贅沢な時間だった。

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