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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

追憶の向こう

音楽をやめたのはもうずいぶん昔の話になるけれど、それから生活が一変した。独りで悶々と考えて、仕事をして、成り行きで個展をやるようになり、それが音楽を通してやってきたことと繋がっているのだと知り、何年も経って、それを確認したくて、安物の楽器を買ってきて、不自由ながらびくびくと音を出してみた。


昔、私はまだ若くて、音楽はただそこにあって、一生懸命やることが単に当たり前だったのだけど、今は自分の考えること、感じることと向き合う自然な方法のひとつとして音楽があって、同じようなことをしていても捉え方が少し違うように思う。根拠があるように感じる。だから腕は落ちても、どこか、昔は出せなかった音があるような気がしている。


20代のころ、全然なんだかわからないけどみんなが喜んでくれるのがただ嬉しくて、知らない世界にどんどん飛び込んで、夢中だった。あの瑞々しい気持ちは若かった日々の宝物に違いないが、今なって似たような喜びをまた感じることができるとは思っていなかった。


11月の18〜20日の3日間、またzakuraで個展をします。そしてプレイベントとして、10月の9日にジャズライブをします。皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。


個展「シーニュの境域」


プレイベントのジャズライブ

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