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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

予感

昨年の終わりごろからあちこちのジャムセッションに行き、楽器に触れる機会を増やしている。相変わらず不自由極まりなく、いつもフラストレーションでいっぱいだけど、何か新しい感覚が掴めそうな、そんな予感が少しあるからだ。


昔、音楽を始めたばかりのころ一人のピアニストと知り合った。それまでジャズなんかやったことはなくまったくの素人だったけれど、ライブに行くと問答無用でステージに上げられて、ありがたくもほんとうに怖い思いをした。「つまらんセッションになど行く必要はない。僕らとやっていれば十分だ」と言っていただいた。その後も私はジャズが本業でなかったし、ドラムの音が嫌いだったからそれほどセッションに行くほうではなかったけれど、今、彼の言ったことが少しわかるような気がする。


それから音楽をやめて何年も経って、今は楽器も違う。マウスピースも違う。思うように身体が反応しないし、安定感も余裕もまったくなくアイデアなど出ようもない状態だけれど、紆余曲折を経て今があって、実を言うと、今のほうがよいと思える部分がわずかにある。それがまともな精度で形にできるなら、また新しい景色が見えてくるような気がしているのだ。


楽器の演奏はかなりの強度で継続しなければ絶対に向上しない。だめでもともと。今年は少し音楽もやってみようと思う。


遅ればせながら、本年もよろしくお願いします。

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