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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

早起きの休日

ピアノの歌は対話

チェロの歌は哀歌

ギターの歌は歌だ

そう言い残した先人がいた。

最初から偏った情緒を帯びていないことは無味乾燥なのではなくて、飾り立てず素朴で、そしてすべてを含んでいる。そんなイメージだろうか。

グレーはすべての色の中間で、偏らず何色でもなく、同時に何色でもある。そしてひとの視覚が色彩を持つ以上、それは観念としてしか存在しない。どんなにきれいなグレーも、私たちの目はそれを偏りのとても小さい中間色としか見ることはできない。

ひとにとって大切なものはそういうもの。見えているようで見えず、ありふれているようで貴く、手が届きそうで、しかし掴み取れない、そんなものじゃないかと思う。


それは大袈裟に語るようなことではなく、ずっと昔からひとは知っていたはずで、ムーミンの絵本にだって書いてあるのに、それがわからない。わかろうともしない。

このところとても疲れていたから、酒を飲んでさっさと寝て、すっきりと目覚めた。年の終わりが見えてきたけれど意外に暖かく、コートを着ていたらほんのりと汗が滲んだ。

今日はどこへ行こう。

これからどこへ行こう。

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