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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

いつか

気持ちのいい季節になった。


昼休みはたいてい屋上給水タンク横にいる。エアコンが苦手だから太陽光を蓄えておきたいし、風にも当たりたい。誰にも邪魔されず静かに食事をして、音楽を聴いたり、読書して過ごす。お尻の下から水道も出ているから一歩も動かずに歯磨きだってできる。職場でもっとも快適な場所。

真夏だって関係ない。頭を濡らしておけば身体に熱が篭ることもないし、そもそも私は暑さに滅法強くて、この国の気候の範囲内であればほとんど無敵だ。


寛いで、ぼうっと空を眺めてみる。今日は雲があるけれど、晴天の日は一点の曇りもなく均一なブルーが広がっているのを見ることもある。

いつかそれを切り取って、フォルムも濃淡もどこにもない、ただグレーだけの絵を美しくプリントすることができるだろうか。いつかそこにたどり着けるだろうか。

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