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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

ふらり

たまたま通りかかった町のギャラリーで、書の展示を見た。おそらくは地域の、同じ先生の下で学ぶ生徒さんの発表会のような、そんな企画なのだと思うけれど、穏やかに晴れた春の陽気に誘われて、なんとなくとても見てみたくなってしまい、足を止めた。

百人一首、般若心経、抜粋した散文や漢詩。小学生から大人まで、技術の差はあれど皆じっくりと紙面に集中して、生真面目すぎるほど丁寧に筆を運んだことが窺え、それぞれの過ごす時間とその心持ちが感じられるようで、清々しいひとときだった。


同じ行為であっても、他人の眼の使い方、身体を制御する感覚、そのリアリティは一生感じることができないけれど、そこに思いを馳せ、想像力を働かせる時間は、実に豊かだ。

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