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  • 執筆者の写真keiichiroyamazaki

醍醐味

ホームラン王争いが40本を超える水準になると、やはり華やかだ。村上宗隆選手は一年目からとても好きだったけれど、思っていたよりもずっと早く、期待していたよりもずっと偉大な選手になってしまって驚くばかり。羽生結弦選手が出てきたときに似た感覚だ。頂点に至る選手というのはこういう鮮烈な現れかたをするのだなあとつくづく思う。


岡本和真選手だってもちろん立派だ。あまり派手ではないかもしれないけれどコンスタントに優れた結果を残していて、高橋監督時代からのご苦労を思えば実に感慨深い。村上選手とはまた違った意味でずいぶん落ち着いているけれど、彼だってまだまだ若い。なんとなくおっとりした独特な雰囲気も素敵だと思う。ケガなくたくさん打って欲しい。


佐藤輝明選手はすごく三振をしてもいるが、なんと言っても一年目だ。ここまでの成績だけでも十分に爪痕を残しているのだし、悔しい思いをして洗礼を浴びて、充実したルーキーイヤーを過ごしていると思う。今はまだ岡本村上両氏が貫禄を見せつけているけれど、来年以降さらに切磋琢磨し合って、もっともっといい勝負を見せてくれたらいい。


ホームランの魅力は、素人には絶対に打つことができないところ。最高のスイングをして、最高のポイントでボールを捉えたとしても、素人ではスタンドになどとてもとても届かない。だけどプロは、かつて西本幸雄監督が言ったように、たとえ下位の選手でもツボにはまれば一発放り込む力を求められる。小田幸平さんだって2発ブチ込んでいるのだ。


弾道の個性もおもしろい。今あらためて見ると松井秀喜氏のアーチはただただ大きく美しく、アレックス・カブレラの野性味溢れる獰猛な軌道ももちろん素敵だ。柳田吉田のパリーグコンビの素晴らしさは言うまでもなく、でもオーセンティックで品のある中村剛也選手のホームランが、現役ではやはり一番好きだ。


週末は久しぶりにバッティングセンターにでも行こうか。当たらないだろうな。

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